
髙屋永遠
アーティスト・画家
1992年東京都生まれ。2019年現在、東京を拠点に活動。
流麗な線と神秘的な色彩が特徴的な絵画は、空間、時間、存在についての領域横断的な考察に基づき制作される。近年は、絵画のみならず壁画、VR空間での描画、映像作品への美術協力など幅広く活動。
主な展示歴として、ART FAIR TOKYO 2019 (東京国際フォーラム)、Smile of Flowers (2018年、小林画廊)、Abode Max Japan 2017 (横浜国際平和会議場)、TUNAGARI プロジェクト (2017年、日本科学未来館)、Enter (2016年、東京藝術大学大学会館展示室)、ON the THRESHOLD II : Formal Presence (2016年、オリエンタル美術館)などがある。
第83回国展入選以来(新国立美術館、2009年)、私は語りえぬ空間の出現の源泉として絵画を捉えることで制作を進めてきました。
具象的、抽象的表現に拘らず、画面に開かれる空間において描かれた身体 や、モチーフ、記号的イメージは従来帰属している場所から異なる空間へと変性されます。
特定の主題の表象としての絵画性を追求するよりも、ある物体の表象がシンボルや記号とし て意味形成や物語性の発信を始める以前に出現する、
あるいは存在する”場所”としての絵画的空間を模索しています。
そうして創造された空間は、記号論的な観点においても、透視画法の視点からも、平面的であると言えます。
そこは時間的にもフラットであり、過去、現在、そして未来といった区分は存在しません。
作品は言語が 意味を 生成し始める起点として作用するだけで、むしろ意味生成以前の様態で言語が存在しうる場を示すのです。
略歴
東京大学
空間情報センター 協力研究員 2017-2019
ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ 2012-2015
ファインアート 学士修了
ロンドン芸術大学
セントラル・セントマーティンズ カレッジ 2011-2012
ファンデーションディプロマ 修了
作家紹介
高屋永遠に初めて出会ったのはロンドン。Chim↑Pomのトークセッションの後だ。
彼女はゴールドスミスの卒業制作を進めていて、後日スタジオを訪れ、制作途中の『プロポジション14』を見させてもらうことになる。
青の置き方に自信はあるが、赤の使い方には迷いが見られる。終着点はまだ見えてないが身体の融解性には確信が現れている。制作途上の作品からはこういった新しいスタイルを見つけた新鮮な喜びと、広がった可能性に対する落ち着きのなさと不安が同時に感じられた。
後にこの両義性が作品の中核をなしていることに気づき、作家の紹介という重要な仕事を任されたので、感じ取ったことを書いてみる。
抽象絵画、具象絵画に関わらず、高屋永遠は絵画によって二重の空間を作り出す。
キャンバス上において、描かれたものの物質性、および物と物の関係性が、普段の世界とは違った様子で表されている。これが第一の空間。このキャンバス上の空間において意味は場所を持たない。それは、描かれたものが日常的な形態及び様態から逸脱した状態にあり、「浮遊するシニフィアン」として提示されているからである。意味というものはキャンバス上にではなく、鑑賞者と作品との邂逅の瞬間において形成される。この意味が生じる空間が、意味を待たない指示詞が散りばめられたキャンバスが生み出す第二の空間。
ハンナ・アーレントは
「生きているということは、自分が生まれてくる前から存在し、自分がいなくなった後にも存在しつづけるであろう世界のなかで暮らすということを意味している。たんに生きているというこの水準では、現象[出現]してはまた消えるという継起が、根源的な出来事なのであって、これによって誕生から死までの時間の広がりを区切る」という現象学的感覚もしくは状態が成り立つ空間を「現れの空間」と呼んでいる。
高屋の作品が生み出す鑑賞空間はまさにこれである。
しかし、この空間において意味は生じるが意味の定位は拒否される。キャンバス上に意味は存在せず<そこにある>ということが指示されているだけである。鑑賞の空間は干渉という継起から生じるものであり、その干渉を成り立たせる作品の存在は意味が定位されることを拒否し続ける。そこに外部のシニフィアン–シニフィエの連関を持ち込んでもそれはすぐに解体されてしまう。鑑賞者は現象学的な時間と空間の開示に身を預けることを要求されるのである。
高屋永遠の作品は現象学的な出逢いを可能にする空間を生成し、このような邂逅を要求する。意味の定位ではなく意味の生成とその否定、そして存在・時間・空間の現出。これが彼女の作品の経験である。
内海潤也
【個展】
UNTITLEDIES - Abstruct paintings 2009-2019
2020年1月16日〜2月2日
会場:why not ? (東京、日本)
プラスチック・ランデブー
会場:5th base gallary (ロンドン, イギリス) 2015
あるいは、私でないような
主催 Jun Atsushi & Kaoru Ichikawa Fine Art
(http://www.j-kfineart.sakura.ne.jp/)
会場:デザインフェスタギャラリー EAST 302 (東京, 日本) 2014
The One
Jun Atsushi & Kaoru Ichikawa Fine Art
(三重、日本) 2013
【グループ展】
今ここ、小さな自由
2020年6月5日〜7月12日
会場:why not ? (東京、日本)
参加作家:高野萌美、高屋永遠
オンラインビューイング:https://gallery-whynot.github.io/online-viewing/2020june/index.html
Things may or may not be useful but beautiful
2020年2月1日〜2月11日
会場:MONKEY GALLERY DAIKANYAMA
参加作家:寺井ルイ理、Henri Roque(陶芸家), 宇城飛翔(陶芸家), 高屋永遠
WEB サイト:http://monkeycafe.jp/
Tokyo ビエンナーレ2020 計画展
HOW TOKYO BIENNALE?
2019年10月12日〜11月4日
会場:アーツ千代田3331 1階 メインギャラリー
主催:一般社団法人東京ビエンナーレ
Arcus Pride Art Exhibtion 2019
2019年6月28日
参加作家:山科奈莉、須藤俊、高屋永遠
会場:株式会社 JPモルガン証券
所在地:〒100-0005 東京都千代田区丸の内2丁目7−3
Arcus Pride Art Exhibtion 2019
2019年6月27日
参加作家:山科奈莉、須藤俊、高屋永遠
主催;クリフォードチャンス法律事務所
所在地;〒100-0005 東京都千代田区丸の内1丁目1番1号 パレスビル3階
ART FAIR TOKYO 2019
2019年3月7日–3月10日
主催;一般社団法人アート東京
会場;東京国際フォーラム 小林画廊展示ブース
参加作家:秋山泉、澁澤星、田中武、田中千智、谷保玲奈、 横内里奈
公式サイト:https://artfairtokyo.com/2019/overview
Smile of Flowers
2018年11月27日-12月8日
参加作家:秋山泉、高屋永遠、谷保玲奈、ルチアシモンズ
会場;小林画廊
所在地;105−0014 東京都港区芝1−15−13 3F
Seven Fresh Green
2018年5月15日-5月25日
参加作家:秋山泉、澁澤星、高屋永遠、田中武、田中千智、谷保玲奈、横内里奈
会場;小林画廊
所在地;〒104−0061 東京都中央区銀座 7−5−12
Enter
企画: 内海潤也 (東京藝術大学 国際芸術研究科)
東京芸術大学音楽学部大学会館2F 展示室 (東京, 日本)
2016年12月6日-9日
Wework x Creative Debuts
Wework at Devonshire Square (London,UK)
25 April,2016- Present
Oliver Agency x Creative Debutes
Oliver Agency (Shoreditch, London, UK)
19 April,2016 - Present
ON the THERESHOLD II: Formal Presence
Oriental Museum/ Teikyo University DURHAM (Durham, UK)
29 Jan - 20 May, 2016
https://www.dur.ac.uk/oriental.museum/
ON the THRESHOLD
Oriental Museum/ Teikyo University DURHAM (Durham, UK)
10 -15 Nov, 2015
https://www.dur.ac.uk/oriental.museum/whatson/details/?id=27959
Hoxton Hotel x Creative Debuts
Hoxton Gallery in Hoxton Hotel Holborn (London, UK)
6th Octorber 2015- 6th Janurary 2016
https://hoxtown.com/events/hoxtown-gallery-presents-creative-debuts
GOLDSMITHS, UNIVERSITY of LONDON
Graduates Exhibition curated by VJB Arts,
10 Gresham Street, (London, UK) Sep 2015- Jan 2016
Creative Debuts Showcase VIII
(支援:Whitechapel Gallery's First Thursday)
Black and White building (ロンドン、イギリス) 2015
GOLDSMITHS DEGREE SHOW 2015
ロンドン大学 ゴーストスミスカレッジ (ロンドン、イギリス)
RAW TALENT 2014
Dalston Department Store (プロジェクトスペース) (ロンドン、イギリス) 2014
ART KAMEYAMA 2012
しぼり屋、亀山東商店街 (三重、日本) 2012
Painting Show
Central Saint Martins College of Art (ロンドン、イギリス) 2012
ART KAMEYAMA in TOKYO
デザインフェスタギャラリー (東京, 日本) 2011
Informania
慶應来往舎ギャラリー (神奈川、日本) 2010
【映像祭】
前橋映像祭 2016
主催:前橋映像祭実行委員会
2016年11月11日-12日
【公募展】
ヤングクリエーターズアワード2017
MIギャラリー(大阪、日本)2017
第83回国展
国立新美術館 (東京、日本) 2009
【コラボレーション】
The thirty three forms of antiquity
運営 夏山ほのか(Kuriya Keiko), 小野祐太郎
特別協力:Jun Atsushi & Kaoru Ichikawa Fine Art
Kuriya Keiko (ロンドン、イギリス) 2015
HP:
ARC x TOWA TAKAYA
live performance for VR painting @ NTT docomo Ventures,(東京、日本)
2017年3月22日
企画・運営 ARC
技術協力 Nano media
会場提供 NTT docomo Ventures
Sampo, Inc. x TOWA TAKAYA
live performance (experimentation )
2017年5月1日-10月5日
協力 村上大陸・塩浦一彗 (Sampo,Inc )
HP:
【ワークショップ】
TUNAGARI プロジェクト Picture Happiness on Earth
日本科学未来館(東京、日本)
2017年7月22日-11月12日
サマーワークショップ講師
Really Really Free market
境南ふれあい広場(東京、日本)
2017年7月22日
ARCブース内でのVR作品の一般公開
主催:TERRATOTERRA , 武蔵野プレイス
【その他】
シンガポール ジュロン地区での滞在制作及び壁画制作
Matsu painting for Butai at micro factory project of AUDACITY.
2019年8月
運営:SAMPO inc.
Pixiv文芸大賞受賞作品 ドラマ『Q&A』
原作;小林大輝「Q&A」(幻冬舎)
制作著作;テレビ朝日
絵画協力/A;高屋永遠
地上波放送:2018年3月24日(土)深夜26時50分~28時05分(※一部地域除く)
ドラマ公式サイト:http://www.tv-asahi.co.jp/qa/
壁画作品「未来を泳ぐ」
企画;株式会社東宝映像美術
制作;高屋永遠
制作期間;2018年6月1日〜7月31日
所在地: 〒522-0007 滋賀県彦根市古沢町500
高屋永遠ライブペインティング「信じることは、」
企画;株式会社いずみ21
特別協力;株式会社東宝映像美術
2018年10月16日〜10月17日
会場;彦根イトマンスイミングスクール
建物内への壁画制作 及び 恒久展示
Adobe Max Japan 2017 Blue Art Japan
3Dモデルソフトウエア(Adobe XD)を使用した公開制作
2017年11月29日
主催:アドビシステムズ株式会社
協賛:バカルディジャパン
技術協力;アドビシステムズ株式会社
機材提供;株式会社ワコム
会場;横浜国際平和会議場 展示ホール(横浜、日本)